
CBDとTHCの違い|効能や副作用の違いまで、簡単解説
麻(カンナビス)に含まれる天然成分で有名なものといえば、CBD(カンナビジオール)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)ですね。
よくCBDオイルにTHCが入っているか否か、で話に上がったりするのですが、CBDとTHCの違いとは何なのでしょうか。
今回は、2つの成分の違いについて詳しく解説します。
結論を先に話しますと、CBDとTHCの主な違いは次のとおりです。
項目/成分 | CBD | THC |
---|---|---|
麻の種類 | 主にヘンプ(THC含有量0.3%以下)から抽出 | 主にマリファナから抽出 |
作用する箇所 | エンドカンナビノイドシステム (身体調節機能) | エンドカンナビノイドシステム (身体調節機能) |
化学構造 | ![]() | ![]() |
使用目的 | 医療・ヘルスケア | 娯楽・医療・ヘルスケア |
摂取方法 | オイル、サプリメント、クリーム、ガムなど | オイル、エディブル、チンキ、カプセルなど |
効能 | てんかん発作抑制、抗炎症、鎮痛、抗不安など | 鎮痛、筋肉の痙攣、緑内障、不眠症改善など |
副作用 | 眠気、食欲の低下、下痢など | 口の乾き、心拍数の上昇、充血、反応の鈍化、記憶力の低下 |
スポーツでの使用 | 可 | 不可 |
法規制 | 合法 | 違法 |
向精神作用 | なし | あり |
それでは詳しく見ていきましょう。
THC(テトラヒドロカンナビノール)とは
THC(テトラヒドロカンナビノール)はマリファナに多く含まれている成分で、精神作用が強く、いわゆる「ハイ」にさせることで知られています。
その為、娯楽用として使われることの多いのが特徴です。
オイル、エディブル、チンキ、カプセルなど様々な方法で摂取されますが、日本ではすべて違法ですのでご注意ください。
THCの副作用
THCが多く含まれるマリファナには、医学的作用があるものの、健康への副作用もあります。
短期使用の影響として、短期記憶が損なわれる、運転技術の低下、判断力の低下など。
そして、長期や大量使用をした場合は、中毒症状、脳の発達異常、慢性精神障害などが挙げられています。
特に10代のマリファナの定期使用は、有害な影響が強くでることが分かっています。(*1)
日本では、THCを含む製品は法律で禁止されています。
THCの医学的作用
ここまでの情報だけで判断すると、THCは悪い成分のように思えますが、医学的にも使用されています。
まず1つ目の作用として、痛みの緩和です。
1975 年から2017年までの医療大麻の臨床研究を行った5つの論文では、THCとCBDの組み合わせががんの痛みの軽減に効果があったと報告しています。(*2)
多くの研究はCBDとの組み合わせでの研究ですが、THCの量が痛みの軽減と相関するなどのケースも報告されています。
2つ目の作用は、吐き気の抑制です。
こちらの研究では、THCの含まれる経口カンナビノイドをがん患者に投与したところ、従来の制吐薬と同等もしくは上の効果があったという報告があります。(*3)
3つめの作用は緑内障の治療として行われる、眼圧の調節作用です。
2018年に行われた研究では、1回のTHCの塗布でマウスの8時間眼圧が低下した状態となりました。
ただし、オスのマウスで効果が高かったことから、性依存性があるとの結果でした。(*4)
他にも、HIV感染者やエイズ患者の食欲増進や免疫刺激として使用されています。(*5)
いずれの作用についても、副作用の発生があり、最適な投与量についてはまだ研究段階です。
そのため、安易に(日本では無理ですが)THCを利用しようとせず、必ず医師に相談するようにしてください。
CBDとは
CBD(カンナビジオール)は大麻草やヘンプに含まれるカンナビノイド(活性化合物)の一種ですが、向精神作用はなく、合法な成分です。
ストレス緩和や抗炎症作用など様々な効果が見られるため、世界的にCBDオイルの人気は高まりつつあります。
またCBDが含まれるコーヒー豆や飲料水、グミ、化粧品なども販売されています。
CBDについて詳しく知りたい方は【完全ガイド】CBDとは?CBDを1から詳しく解説 をお読みください。
CBDの副作用
CBDの利用による副作用として報告されているものはどれも軽微なものですが、主に以下があります。
- 疲労
- 下痢
- 食欲の変化
- 体重の変化
詳しくは「CBDの安全性と副作用を解説。絶対に注意すべき点は1つ。」で解説しています。

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CBDオイルなどを試す前にこういった副作用についての情報を必ず読むようにしましょう。
CBDの医学的作用
CBDは様々な疾患に効果があることが最近の医学的研究によって明らかになってきています。
人間の身体には体内のバランスを調整するエンドカンナビノイドシステム(ECS)と呼ばれるものがあり、CBDはこのECSに作用することで効果を発揮するのです。
CBDが注目を浴びるようになった大きな転機として、治療が難しいてんかんを抑える抗痙攣作用が認められたことがあります。
体重1キロあたり一日2〜5ミリグラムのCBDを投与したところ、てんかん治療に有効であることが認められ、また副作用はその多くが軽いもので、眠気、食欲の低下、下痢などでした。(*6)
またCBDはビタミンCやDよりも強力な抗酸化作用があることも判明しており、心血管疾患、脳卒中、パーキンソン病、アルツハイマーなどの予防にも効果があると考えられています。(*7)
その他にも抗がん作用、精神安定などの効果もあるとして研究が進められています。
研究段階のものが多いですが、以下の症状に対する効能はCBDの効能としてよく取り上げられています。
- 抗不安作用
- 抗炎症作用
- 睡眠(不眠)
- 鎮痛作用
- 発作
また、World Anti Doping AgencyはCBDについて以下のように話しています。
「カンナビジオール(CBD)を除き、自然由来であれ、合成であれすべてのカンナビノイド、カンナビス、大麻は禁止されています。」
つまり、CBDはドーピングの対象とならないということです。
抗炎症作用により、スポーツ選手でも使う方が増えてきています。
詳しくは「CBDで運動やスポーツのパフォーマンスが向上?ドーピングにならない?」をお読みください。

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CBDとTHCの違い
CBDとTHCの大きな違いは、精神作用の有無です。
また、THCのような重大な副作用はCBDでは報告されていません。
しかし、THCはただ悪い成分というわけではなく、医療用用途としての使用が認められていたり、CBDとの併用で、高い治療効果が出ている研究もあります。
現段階では、日本ではTHCは違法になる為、麻製品を個人輸入する場合などには、成分表記に注意して購入するようにしましょう。
参考文献
*1: Adverse Health Effects of Marijuana Use
*2: A selective review of medical cannabis in cancer pain
*4: Δ9-Tetrahydrocannabinol and Cannabidiol Differentially Regulate Intraocular Pressure.
*5: The Changing Drug Culture: Medical and Recreational
*6: Could Cannabidiol be a Treatment Option for Intractable Childhood and Adolescent Epilepsy?
*7: Cannabidiol and (-)Delta9-tetrahydrocannabinol are neuroprotective antioxidants.
麻やCBDオイルはこの20年で急速に研究が進み、またその健康面での価値に多くの人が気づき始めました。
しかし、まだ研究段階のことが、さも「絶対」であるかのように伝わっていたり、低品質のCBD製品が問題を引き起こしているのも事実です。
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