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CBDが肝臓に与えるダメージと副作用

CBDが肝臓に与えるダメージと副作用

投稿日:2020年 4月 4日/ 更新日:2020年 4月 6日

今回は、CBDが肝臓でどのように代謝され、肝臓へどんな影響があるのか迫ってみたいと思います。

 

結論からお話すると、非常に高用量のCBDを摂取すると肝臓にダメージを与える可能性があるという研究が2019年に発表されています。*1

ただし、この研究はまだネズミを使用した研究であり、今後さらなる研究が必要とされています。

 

それでは詳しい内容を見ていきましょう。

 

ヘンプマップでは掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、利用者が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について責任を負いかねます。

 

CBDの肝臓に与える影響を研究した論文の内容

 

すでに冒頭でお話した研究では、生後8週間のマウスに対して様々な量のCBDを投与し、その反応を見ています。

 

研究の結果、CBDに対してマウスは耐性をもっているものの、最もCBDを与えたマウスは肝臓毒性の明らかな兆候がでたことが分かりました。

このときのCBDの量は人間でいうと200mgのCBDと等しい量になります。

 

また、繰り返し少量のCBDを与え続けた場合でも肝臓の腫れやダメージの兆候が確認されたとしています。

このときのCBDの量は人間でいうと50mgでした。

 

200mgという量を実際に摂ることはなかなかないと思いますが、CBDの摂取過多がどのような結果をもたらし得るか理解するのに重要な情報となっています。

 

なお、目安として以下にCBDオイルのスポイト1滴あたりのCBD含有量を載せておきます。

含有量はCBDオイルにどれくらいCBDが含まれているかによりますが、高めの15%CBDで約50滴を摂取すると約200mgを摂取することになるということになります。

 

スポイト1滴あたりのCBD含有量

  • 1%CBD:0.3mg
  • 5%CBD:1.5mg
  • 10%CBD:3.0mg
  • 15%CBD:4.5mg
  • 20%CBD:6mg
  • 25%CBD:7.5mg
  • 30%CBD:9mg

 

この内容を聞くとCBDオイルって飲んでも大丈夫なの?となるかもしれません。

ただ、専門家の多くは心配しすぎる必要はないと話しています。

他の薬が過剰摂取をしてはいけないように、CBDも過剰摂取をしてはいけないということですね。

 

 

ここからはCBDと肝臓の研究をもう少し見ていきましょう。

 

肝臓の働き

 

まず、CBDと肝臓の研究をみる前に薬を服用したときに肝臓がどのように反応するのかについて知っておきましょう。

 

体内に薬が入ると胃や腸で吸収され、その後、血管を通って肝臓に運ばれます。

肝臓では薬物代謝酵素(シトクロムP450)によって酸化反応など(代謝)がおき、体外に排出される、というのが薬を服用したときの一連の流れです。

 

CBDが肝臓に入ると、どのように代謝されるのか?

 

CBDが体内で代謝されることは分かっていましたが、CBD代謝に肝臓のどの酵素が関わっているか分かっていませんでした。

 

しかし、2011年に、どの酵素がCBDを代謝するのかを研究した論文が発表されました。*2

この研究では、ヒト幹細胞もしくは遺伝子組み換えヒトCYP(シトクロム)酵素によってCBDを酸化(代謝)させた後、ガスクロマトグラフィー分析によってCBD代謝に関わる酵素を分析しました。

その結果、ヒトCYP酵素の七種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5)がCBDを代謝することがわかりました。

 

さらにCBDの代謝にはCYP3A4と呼ばれる酵素が関わっていることが、抗CYP3A4交代による阻害実験によって判明しました。

つまり、シトクロムP450の一種であるCYP3A4という酵素がCBDの代謝に関わっています

 

CBDはCYP3A4を阻害してしまう

 

大麻成分であるTHC・CBD・CBNがシトクロムP450の一種であるCYP3A酵素群の働きが阻害されるのかも研究されています。*3

その研究では、THC・CBD・CBNが存在している状態でCYP3A4、CYP3A5、CYP3A7の酵素活性を測定しました。

測定してみると、CBDがCYP3A4とCYP3A5を最も強く阻害することがわかりました。

 

CBDでCYP3A4を阻害すると危険

 

普段から持病によって薬を飲んでいる人が、CBDを服用してしまうと危険な可能性があります。

仮にCYP3A4という酵素で代謝される医薬品を使用している場合、CBDがCYP3A4を阻害することで薬物が代謝されずに血中濃度が増加する可能性があります

そうなると、医薬品が体に残り続けることになるので副作用が起こりやすくなってしまうのです。

このCYP3A4を阻害するものとしてはグレープフルーツが挙げられます。*4

 

CBDを使用する際は医師に相談しよう

 

日頃から薬を服用している人は、CBDオイルを使用する前に必ず医師に相談するようにしてください。

CBDと薬の飲み合わせによって、思わぬ副作用が出てしまう危険性があります。

 

その他のCBDによる副作用については以下の記事にまとめてあります。

 

 

参考文献

*1:Hepatotoxicity of a Cannabidiol-Rich Cannabis Extract in the Mouse Model

*2:Identification of cytochrome P450 enzymes responsible for metabolism of cannabidiol by human liver microsomes.

*3:Potent inhibition of human cytochrome P450 3A isoforms by cannabidiol: role of phenolic hydroxyl groups in the resorcinol moiety.

*4:薬学用語辞典「グレープフルーツ」

関連ワード:CBDの安全性

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